2025年12月11日木曜日

機関投資家はバブルで買わなければならないし、割安の買い時でも売らなければならない運命にある

 ドットコムバブル時のウォール街はバブルであると分かっていても、テック企業たちに投資せざるを得ない状態だったのですか?

はい、ウォール街はドットコムバブルの危うさを認識しながらも、テック企業への投資を続けざるを得ない状況にありました。理由は主に「競争圧力」「顧客需要」「資金の流れ」によるものです。

顧客の期待と競争圧力 多くのファンドマネージャーは「他のファンドがテック株で利益を出しているのに、自分だけ投資しないわけにはいかない」というプレッシャーを感じていました。バブルだと分かっていても、投資しないと顧客に「乗り遅れている」と見なされてしまうのです。

資金の流入と指数の構成 インデックスファンドや年金基金などの機関投資家は、NASDAQやS&P500に組み込まれたテック企業に自動的に資金を配分する仕組みになっていました。つまり、テック株が上がれば上がるほど、さらに資金が流れ込む構造だったのです。

「新しい経済」への期待 インターネットがもたらす革命的変化に対する期待が非常に高く、「利益が出ていなくても、将来の成長に賭けるべきだ」という論理がまかり通っていました。AmazonやYahoo!などは赤字でも「未来の勝者」として評価されていました。

リスク管理の限界 一部の投資家はバブル崩壊を予測していましたが、資金の流れを止めることは難しく、リスク管理よりも「今の利益」が優先される場面が多かったのです。まさに「音楽が鳴っている間は踊り続けなければならない」という状況でした。

このような状況は、現在のAIブームにも通じる部分があります。ウォール街は過去の教訓を活かし、キャッシュフロー重視やバリュエーションの見直しなどの防御策を再評価しているようです。

なるほど、当時のウォール街も現在バブルであると分かっていたんですね。株式市場を実質的に動かしている大口の機関投資家は、明らかなバブルで割高であると分かっていても、客の要望により株を買わざるを得ず、反対に暴落した時は明らかに売られすぎて割安であると分かっていても、客の要望により株を売らなければならない運命にあるようですね。株式市場の値動きが、しばしば極端に行き過ぎるのもそのせいなんですね。

まさにその通りです。市場の「行き過ぎ」は、個人投資家の感情だけでなく、機関投資家の構造的な制約によっても引き起こされます。以下にそのメカニズムを整理してみます:

🏦機関投資家がバブルでも買い、暴落でも売る理由

1. 顧客の期待に応える義務

機関投資家(ファンドマネージャーなど)は、顧客の資金を預かって運用しています。顧客が「今はAIが熱い」「テック株に乗り遅れるな」と言えば、たとえ割高でも買わざるを得ません。逆に暴落時に「もう怖いから売ってくれ」と言われれば、割安でも売却せざるを得ないのです。

2. 相対評価の罠

多くの機関投資家は「市場平均より良い成績」を求められます。そのため、バブルでも市場に乗らないと「負け組」と見なされる。「他が買っているから自分も買う」構造が、バブルを加速させます。

3. 資金流入・流出の自動化

インデックスファンドやETFは、指数に連動するため、構成銘柄が割高でも買い続けます。 -逆に暴落時には資金流出が起こり、機械的に売られるため、割安でも売り圧力がかかります。

4. レバレッジとリスク管理の限界

一部の機関は信用取引やデリバティブを使ってリスクを取っており、暴落時には強制的なポジション解消が起こります。これが「売りが売りを呼ぶ」連鎖を生み、価格が本質価値から大きく乖離するのです。

📉市場の「行き過ぎ」は構造的な現象

このように、株式市場の極端な値動きは「感情」だけでなく、「制度設計」と「資金の流れ」によってもたらされます。

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