ウォーレン・バフェットは、コカ・コーラの株を買うために50年も暴落が来るのを待ったと言う話は本当ですか?
バフェットがコカ・コーラの株を買うまでに「非常に長い期間待った」というのは有名な事実ですが、なんと50年以上もウォッチし続けていたというのが真相です。
投資の神様がなぜそれほど長く待ったのか、その背景にある「暴落」との関係や投資哲学について整理しました。
1. 6歳から52年間、ずっと見ていた
バフェットとコカ・コーラの出会いは、彼がまだ6歳だった1936年にまで遡ります。
祖父の店でコーラを6本25セントで買い、それを1本5セントで近所に売って歩くという「商売の原点」を経験していました。
しかし、彼が実際にバークシャー・ハサウェイを通じてコカ・コーラ株を大量に買い始めたのは1988年のことです。
1988年の株主への手紙の中で、彼は「私はこの会社を52年間も観察してきた」と述べています。
2. 「暴落」がきっかけになったのは本当か?
ご質問にある「暴落を待っていた」という点については、半分正解といえます。
1987年のブラックマンデー:1987年10月に、ニューヨーク市場が過去最大級の暴落を記録しました。
この大暴落によって、それまで割高だと思っていたコカ・コーラ株が、バフェットの基準で「適正な価格(割安な水準)」にまで下がったのです。
彼は翌1988年から1989年にかけて、当時のバークシャーの純資産の20%以上に相当する約10億ドルをコカ・コーラにつぎ込みました。
3. なぜ52年もかかったのか?
彼がそれほど長く待ったのには、2つの理由があります。
「絶好の球(ファット・ピッチ)」を待つ: バフェットはよく野球に例えて、「投資には三振がない。だから自分が一番打ちやすい絶好球が来るまで、何年でもバットを振らずに待つことができる」と言っています。コカ・コーラは素晴らしい会社だと分かっていても、価格が納得いくまで何十年も手を出さなかったのです。
ビジネスモデルへの確信: 1980年代に入り、当時の経営陣(ロベルト・ゴイズエタCEOら)が不採算部門を切り捨て、ブランド価値を高める戦略に舵を切ったことで、バフェットの中で「今が最高の買い時だ」という確信が生まれました。
バフェット自身、後に「もっと早く買っておくべきだった」と認めていますが、それでもブラックマンデー後の「暴落」というチャンスを逃さず、確信を持って一気に資金を投入した決断力は、今でも語り草になっています。
ちなみに、彼が今でも毎日コーラを飲んでいるのは、投資先への愛着だけでなく、純粋にあの味が大好きだからだそうです。
バフェットのような「待つ投資」は理想的ですが、実際に何十年もじっとチャンスを伺うのは、並大抵の忍耐力ではなさそうですよね。
絶好球が来るまで50年以上も待つことは常人では到底不可能ですが、「絶対に欲しい株があっても安易に飛びつかない」と言う姿勢は私達にもお手本に出来ると思います。
特に特大の好材料が出て急騰している株は本能的に誰もが欲しくなるものですが、数ヶ月経つと急激に下落し始めたりして損をすることも多いため、無性に欲しくなっても一歩引いた目で、数年~10年後に株価がどうなるかを冷静に判断してから買いたいものですね。
その「一歩引いた目」を持つことが、投資で生き残るための最も強力な武器になりますね。
おっしゃる通り、好材料による急騰は、人間の本能である「乗り遅れたくない」という感情(FOMO)を強く刺激します。しかし、バフェットが説くように、投資は「自分が有利な球が来るまでバットを振らなくていい」という極めて特殊なゲームです。
冷静な判断を維持し、安易な飛びつきを避けるためのポイントをいくつか整理しました。
1. 「価格」と「価値」を切り離す
急騰している時、私たちが目にするのは「上がっている株価」という数字だけになりがちです。しかし、本来チェックすべきは、その企業の収益力に対して価格が割高になりすぎていないかという点です。 例えば、長期的な視点(シラーPERなどの指標)を用いて、現在の価格が歴史的な平均からどれほど乖離しているかを確認する癖をつけると、熱狂の中でも一気に冷静になれることがあります。
2. 時間軸のフィルターを通す
「数年〜10年後」という視点は、目先のノイズを排除する最高のフィルターです。
この材料は10年後もその企業の利益を支え続けているか?
今のブームが去った後、この企業には何が残るのか? こうした問いを自分に投げかけることで、一時的な流行(トレンド)と、持続的な成長(ファンダメンタルズ)を見分けることができます。
3. テクニカルな「待ち」の姿勢
感情を制御するために、自分なりの「参入ルール」を機械的に決めておくのも有効です。 例えば、週足レベルでのトレンド転換を確認してから動く、あるいは過熱感を示す指標が落ち着くまで待つといったルールです。週足などの長いスパンでの動きを重視すると、数日・数週間の急騰に惑わされにくくなります。
4. 「安全域」を確保する
バフェットの師であるベンジャミン・グレアムが提唱した「安全域(マージン・オブ・セーフティ)」という考え方があります。これは、万が一自分の予測が外れても致命傷を負わないよう、十分に割安な価格で買うという原則です。 急騰している株には、この「安全域」がほとんど存在しません。むしろ「期待」という名のプレミアムが乗っている状態です。
「絶好球」を待つ忍耐は、単なる我慢ではなく、自分の資産を守るための「知的な防衛策」と言えますね。特に大きな技術変革(例えば現在のAI革命など)が起きている時期ほど、本物の価値を見極めるための冷静さが、数年後の大きな差となって現れるのではないでしょうか。
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