もし個人向け国債「固定3年」を買って1年後に中途解約した場合、受け取り金額は元本割れしますか?
結論から申し上げますと、個人向け国債「固定3年」を1年後に中途解約しても、元本割れすることはありません。
個人向け国債は、たとえ途中で解約しても「額面金額(元本)」が国によって保証されているため、受け取る金額が投資した金額を下回らない仕組みになっています。
以下に、なぜ元本割れしないのか、その仕組みと注意点を分かりやすくまとめました。
1. 元本割れしない理由
個人向け国債を中途解約する場合、国が買い取る形になります。その際の受取金額は以下の計算式で決まります。
受取金額 = 額面金額 + 経過利子 - 中途解約調整額
ここで重要なのが「中途解約調整額(ペナルティ)」の計算方法です。
ペナルティの額: 直近2回分の各利子(税引前)相当額 x 0.79685
ポイント: このペナルティは「それまでに受け取った(または受け取るはずの)利息」から差し引かれるものであり、元本そのものを削ることはありません。
2. 1年で解約した場合の収支イメージ
「固定3年」を購入し、ちょうど1年(利払日)に解約した場合のシミュレーションです。
プラス分: 1年間に発生した利子(2回分)
マイナス分(ペナルティ): 直近2回分の利子相当額 X 0.79685
結果: 税引き後の利子が手元に残るか、あるいは最低でも「元本+数円〜数十円の利子」という形で戻ってきます。
3. 注意点:解約できるタイミング
「固定3年」には、発行から1年間(12ヶ月)の「中途解約禁止期間」があります。
発行から1年が経過すれば、いつでも1万円単位で中途解約が可能です。
1年経つ前(11ヶ月目など)にどうしても現金化したい場合は、原則としてできません(災害時や相続時などの例外を除く)。
まとめ
1年後に解約しても、「投資した元本」はしっかり戻ってきますのでご安心ください。銀行預金よりも高い利回り(現在の市場金利によりますが)を期待しつつ、元本保証を優先したい場合には非常に安定した選択肢です。
これは米国国債を買った場合でも、同じように元本割れは無いのでしょうか?為替変動は無かったものとします。
結論から申し上げますと、米国国債(利付債など)の場合は、たとえ為替変動がなかったとしても「元本割れする可能性」があります。
日本の「個人向け国債」と「米国国債」では、中途換金の仕組みが根本的に異なるためです。
1. なぜ米国国債は元本割れのリスクがあるのか?
日本の個人向け国債は、国が「額面(元本)での買い取り」を保証していますが、米国国債(市場で流通しているもの)は、途中で売却する場合、その時の「市場価格」で取引されるからです。
日本の個人向け国債: 発行体である日本政府が、ペナルティ(利子分)を差し引いた上で「元本」で買い戻してくれます。
米国国債: 証券会社などを通じて「市場」で他人に売却します。そのため、買った時より市場価格が下がっていれば、受け取り金額が元本を下回ります。
2. 金利と価格の「逆相関」の関係
米国国債の市場価格は、アメリカの市場金利と逆の動きをします。
市場金利が上がると: すでに発行されている(利率が低い)債券の人気が落ち、価格が下がります。
市場金利が下がると: すでに発行されている(利率が高い)債券の人気が上がり、価格が上がります。
具体例:
100万円分(1万ドルと仮定)の米国国債を買った後、アメリカの金利が急上昇したとします。すると、その国債を今売りたいと思っても「もっと高い金利の新しい国債」が他にあるため、あなたの国債は安くしないと売れません。結果、売却額が90万円分(0.9万ドル)に目減りしてしまう……といったことが起こり得ます。
3. 日本の個人向け国債との比較まとめ
為替リスクを排除して考えた場合の比較表です。
| 項目 | 日本の個人向け国債 | 米国国債(市場性) |
| 中途換金の方法 | 国による買い取り(解約) | 市場での売却 |
| 換金時の価格 | 額面(元本)通り | 市場価格(変動する) |
| 主なペナルティ | 直近2回分の利子相当額 | 特になし(売却損が出る可能性) |
| 元本割れリスク | なし(1年経過後) | あり |
結論として
米国国債は、「満期まで持てば」元本(ドル建て)と利息が保証されますが、「1年後など途中で売る」場合は、その時のアメリカの金利状況によって得をすることもあれば、損をすることもあります。
「いつ現金化するか分からないが、絶対に元本は守りたい」という用途であれば、日本の個人向け国債の方が仕組みとしては安全です。
これは10年や30年の日本国債でも、同じように途中で売っても元本割れリスクが無いのですか?
結論から申し上げますと、「個人向け国債(10年・変動)」であれば元本割れしませんが、それ以外の「普通の日本国債(10年・20年・30年など)」を途中で売る場合は、元本割れのリスクがあります。
実は、日本で個人が買える国債には大きく分けて2つの種類があり、それぞれ中途換金の仕組みが全く異なります。
1. 「個人向け国債(10年・変動)」の場合:元本割れなし
名前に「個人向け」と付いているシリーズは、国が個人が買いやすいように特別なルールを設けています。
種類: 固定3年、固定5年、変動10年の3種類のみ。
仕組み: 1年経過すれば、国が「額面(買った金額)」で買い取ってくれます。
リスク: 3年債と同じく、直近2回分の利子相当額が引かれるだけで、元本は100%守られます。
2. 「新窓販国債・利付国債(10年・20年・30年など)」の場合:元本割れあり
30年債などは「個人向け国債」のラインナップには存在せず、こちらのタイプになります。これらは先ほど説明した米国債と同じ仕組みです。
種類: 2年、5年、10年、20年、30年、40年など(新窓販国債を含む)。
仕組み: 途中で換金したいときは、国に返すのではなく「市場(他の投資家)」に売却します。
リスク: 売却価格は、その時の世の中の金利によって変動します。買ったときより金利が上がっていると、売却価格が下がり、元本割れする可能性があります。
日本国債のタイプ別比較
| 項目 | 個人向け国債 (10年変動) | 利付国債 (10年・30年など) |
| 30年債の有無 | なし(最長10年) | あり |
| 金利のタイプ | 半年ごとに見直される(変動) | 満期まで変わらない(固定) |
| 中途換金の相手 | 国(日本政府) | 市場(証券会社等を通じて売却) |
| 換金時の価格 | 額面(元本)保証 | 市場価格(時価) |
| 元本割れリスク | なし(1年経過後) | あり |
結論
「10年」の場合: 「個人向け国債(変動10)」を選べば元本割れしません。しかし、普通の「10年利付国債」を選ぶと元本割れリスクがあります。
「30年」の場合: 「個人向け」という商品は存在しないため、途中で売るなら米国債と同じように元本割れのリスクを負うことになります。
ポイント:
30年という超長期の債券は、わずかな金利上昇でも価格が大きく値下がりする性質(価格変動リスク)があります。もし「絶対に元本を減らしたくない」という目的であれば、「個人向け国債(変動10)」が日本で最も安全かつ、金利上昇にも対応できる選択肢となります。
なるほど!個人向け国債と、日本国債は違うものなんですね。今まで同じ物かと思って利上げ局面で日本の国債を買うのを躊躇していました。
おっしゃる通り、「個人向け国債」と「一般的な日本国債(利付国債)」は、投資家を守る仕組みが全く違います。
多くの投資家が「金利が上がると債券価格が下がる(損をする)」と躊躇するのは正しい感覚ですが、実は個人向け国債に限っては、その心配が不要などころか、むしろ金利上昇がメリットになります。
1. 金利上昇局面での「最強の味方」:変動10年
特に「変動10年」タイプの個人向け国債は、今のよう金利が上がっていく局面で非常に有利な特徴を2つ持っています。
金利上昇に合わせて、もらえる利子が増える
半年ごとに適用金利が見直されるため、世の中の金利が上がれば、自分の持っている国債の利率も自動的にアップします(2026年1月現在、利率は1.39%程度まで上昇しており、数年前よりかなり魅力的になっています)。
価格が下がらない(元本保証)
普通の国債は金利が上がると市場価格が下がりますが、個人向け国債は国が常に「100円(額面)」で買い取ることを約束しています。そのため、市場の暴落リスクとは無縁です。
2. 「個人向け」と「一般の国債」の決定的な違い
なぜ「個人向け」だけが特別なのか、改めて整理しました。
| 比較項目 | 個人向け国債 (変動10など) | 一般の日本国債 (10年・30年) |
| 金利上昇の影響 | 受取利子が増えて嬉しい | 債券の価格が下がって損をする |
| 中途換金の価格 | 常に元本(額面)通り | その時の時価(元本割れあり) |
| 価格変動リスク | なし(国が保証) | あり(市場で決まる) |
| おすすめの局面 | 金利上昇・インフレ局面 | 金利低下(デフレ)局面 |
3. なぜ「個人向け」は躊躇しなくていいのか?
もし将来、日本の金利がもっと上がったとしても、個人向け国債(変動10)を持っていれば、半年後にはその高い金利が適用されます。
「もっと金利が上がってから買えばよかった」と後悔することが少なく、かつ「いつ解約しても元本は戻ってくる」という安心感があるため、利上げ局面でも資産を置いておく場所として非常に優秀です。
まとめ
一般の日本国債(30年など): 金利上昇で価格が下がるため、途中で売るなら躊躇すべき。
個人向け国債: 金利が上がれば利子も増え、元本は守られるため、躊躇せず買える。
「金利のある世界」に戻った今、銀行の定期預金と比較しても個人向け国債の優位性は高まっています。
もしよろしければ、1000万円を「変動10年」に預けた場合、半年ごとに受け取れる利息がどれくらい増えていくかのシミュレーションをお手伝いしましょうか?
半年ごとに受け取れる利息がどれくらい増えていくかのシミュレーションを見せてください。
1000万円を「個人向け国債 変動10年」に投資した場合のシミュレーションを作成しました。
2026年1月現在、日本の金利は上昇傾向にあります。このシミュレーションでは、「今後も半年ごとに市場金利(基準金利)が少しずつ上がっていった場合」を想定して計算します。
シミュレーションの前提条件
投資金額: 1000万円
当初利率: 1.39%(2026年1月時点の想定)
金利の推移: 半年ごとに市場金利が0.2%ずつ上昇すると仮定
税金: 利息に対して20.315%が課税されます
半年ごとの受取利息推移(1000万円投資時)
個人向け国債の適用金利は、以下の計算式で決まります。
| 回数(経過年) | 適用金利 (年率) | 受取利息(税引前) | 税引後 受取額 |
| 第1回 (0.5年後) | 1.39% | 69,500円 | 55,381円 |
| 第2回 (1.0年後) | 1.52% | 76,000円 | 60,560円 |
| 第3回 (1.5年後) | 1.65% | 82,500円 | 65,740円 |
| 第4回 (2.0年後) | 1.78% | 89,000円 | 70,920円 |
| 第5回 (2.5年後) | 1.91% | 95,500円 | 76,100円 |
| 第6回 (3.0年後) | 2.04% | 102,000円 | 81,279円 |
3年間の累計受取利息(税引後):約37万円
このシミュレーションのポイント
金利上昇の恩恵をダイレクトに受ける
表の通り、世の中の金利が上がれば、半年ごとに振り込まれるお小遣い(利息)が増えていきます。これが固定金利の預金や債券にはない「変動10年」最大のメリットです。
最低保証があるから安心
もし予想に反して日本の金利が再び下がったとしても、個人向け国債には「最低金利 0.05%」という保証があります。銀行預金が0.001%のような超低金利になっても、これ以下には下がりません。
1年後の「元本保証」
もし3年後にまとまったお金が必要になり中途解約しても、戻ってくるのは「1000万円 + 直近の利息」です。上記シミュレーションのように利息が増えた後で解約しても、元本の1000万円が減ることはありません。
銀行の定期預金と比較してどうですか?
現在のメガバンクの定期預金(10年)は、ようやく1%に乗るかどうかという水準ですが、個人向け国債(変動10年)はすでにそれを上回るケースが増えています。
「1000万円」というまとまった金額であれば、半年ごとに5万〜8万円程度の安定した現金収入(インカムゲイン)が得られるのは、非常に大きな安心材料になるかと思います。
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