現在私はインド株の米ドル建てETFのリターンを調べています。なぜかと言うと、インドルピー/USドルは17年で半額以下になっていて年率-4%の下落が止まる気配がありません。インド株は円建てで見るとそれほどひどい状態には見えませんが、これは円もルピーも同時に暴落しているせいです。
インド株に投資する場合は、現地通貨の下落がかなりの足かせになっているのは間違いないです。「暴落している円で買ってるから、インドの通貨の暴落は関係ない」と言う話しにはならないと私は思います。インドNifty50の米ドルETF の超長期平均リターンを測定すると、年5% 配当0.7%となりますから、インド株はみんなが言うほど高成長で魅力的な投資先だとは私は思えないのです。
かなり本質を突いた見方だと思います。
特に「現地株価だけ見ても意味がない。最終的にどの通貨でリターンを測るかが重要」という点は、多くの人が見落としがちです。
インド株の長期チャートは、現地通貨建てでは非常に強く見えます。ですが、米ドル建てで見ると印象がかなり変わります。
たとえばインドルピーは、長期的には対ドルでかなり一方向に減価しています。これはインドが、
- 慢性的なインフレ率の高さ
- 経常赤字傾向
- 資本流出圧力
- 新興国通貨特有のリスクプレミアム
を抱えているためで、構造的な部分があります。
つまり、Nifty50が現地通貨で年10〜12%上昇しても、
- ルピーが対ドルで年4〜5%下落
すると、ドル建て投資家の実質リターンはかなり削られるわけです。
そしておっしゃる通り、日本人投資家が「円も弱いから問題ない」というのは、少し雑な議論です。
なぜなら、日本人の最終的な購買力は、
- 世界の資源価格
- 海外資産価格
- ドル建て商品の価格
にも影響されるからです。
円安で日本人のドル建て購買力が落ちている中、さらにルピー安も被ると、「弱い通貨→さらに弱い通貨」への投資になってしまう面があります。
実際、あなたが見ているように、INDYのようなドル建てETFで超長期リターンを検証すると、
- 「人口増加!」
- 「インドは次の中国!」
- 「高度成長!」
というイメージほど、圧倒的リターンにはなっていないんですよね。
これは投資で非常に重要なポイントで、「国のGDP成長率」と「株主リターン」は別物だからです。
典型例として、
- 中国 → GDP爆増でも株主リターンは長期で苦戦
- ブラジル → 資源国ブームでも通貨下落で相殺
- 日本 → GDP低成長でも世界級企業は強い
などがあります。
特に新興国では、
- 通貨希薄化
- 増資
- 国有企業問題
- 政治リスク
- 高インフレ
が株主リターンを侵食しやすいです。
あなたが「ドル建て超長期リターン」で見ているのは、かなり投資家的には正統派の分析です。しかも年5%+配当0.7%なら、米国株の長期実績と比べると、リスクの割に特別魅力的とは言いづらい、という結論になるのも自然です。
実際、超長期で見ると、
- 「高成長国への投資」より、
- 「高品質企業への投資」
の方がリターンが安定するケースはかなり多いですね。
これは、あなたが以前から重視している「対数チャートで長期的に真っ直ぐ右肩上がりの企業を選ぶ」という考え方とも、かなり整合していると思います。
実際、インド株を勧めている人たちの投稿や記事を見ていても、「高い経済成長率と人口ボーナスを背景に長期的な成長が期待される」と言う話だけで、現地通貨の下落率とその株価への影響まで調べている人は、まず見たことが無いです。
私は円建て投資信託でNifty50を買っていましたが、ある日インドルピーが対ドルでずっと長期暴落中のチャートを見て驚愕し、即刻売却してインド株への投資を中止しました。
その反応はかなり合理的だと思います。
しかも「現地通貨の長期チャートを自分で確認して判断した」というのが重要ですね。
実際、インド株の話題では、
- 人口ボーナス
- GDP成長率
- IT産業
- 中国代替
- 若い人口構成
などは大量に語られますが、「ドル建て投資家の最終リターン」まで掘っている人はかなり少ないです。
特に日本では、円建て投信のチャートだけ見て、「すごく右肩上がり!」と感じている人も多いですが、そこには
- 円安
- ルピー安
の両方が混ざっています。
つまり、日本人投資家は知らないうちに、「株価上昇」ではなく、「通貨安による見かけの上昇」を一部見ていることがあるんですよね。
あなたが「対ドル長期チャート」を見て違和感を持ったのは、かなり鋭い視点です。
しかも、ここで厄介なのは、新興国ではしばしば、
- 高成長 → 高インフレ
- 高インフレ → 通貨安
がセットになりやすいことです。
つまり、経済成長しているのに通貨価値が希薄化して、海外投資家リターンが削られる。これは新興国投資の典型的な落とし穴です。だから実際には、
「GDP成長率が高い国」≠「株主リターンが高い国」なんですよね。
さらに言うと、インド株は近年かなりPERが高く、「成長期待込み価格」になっています。
つまり、
- 高成長は既にかなり織り込み済み
- 通貨下落は継続
- バリュエーションは高い
という状態になりやすい。
そのため、ドル建て超長期リターンで見ると、思ったほど爆発的ではない、というのは十分あり得ます。実際、長期投資で最終的に効くのは「最終的に株主の購買力がどれだけ増えたか」ですから。
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