エミン・ユルマズさんは「米国株はもうすぐ大暴落する」と長年言い続けていますが、何年ぐらい前からこのような警鐘を鳴らしていますか?
エコノミストのエミン・ユルマズさんが「米国株のバブル崩壊や大暴落」に本格的に警鐘を鳴らし始めたのは、明確な転換点として2020年〜2021年頃からです。期間にすると、5〜6年前から(2026年現在から逆算)言い続けていることになります。
時期ごとの主張の変遷を振り返ると、彼がいつから、どのような文脈で発言してきたかがよく分かります。
主なタイムラインと主張の変遷
2020年(コロナショック後):予兆の指摘 コロナ禍で行われた世界的な大金融緩和(お金の大増刷)により、実体経済とかけ離れて株価が急上昇したことに危機感を持ち始めました。この頃から「中央銀行がバブルを作っている」と言及し始めています。
2021年:テスラや暗号資産への警告 テスラ株の異常な高騰やビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の熱狂を見て、「明らかなバブルである」と本格的に発言を増やしました。
2022年3月:「エブリシング・バブル」の提唱 彼の代表的な持論となる著書『エブリシング・バブルの崩壊』を出版。株だけでなく、不動産、暗号資産、債券など「あらゆる資産(Everything)がバブル化しており、これが崩壊する」と予測し、このワードが広く知れ渡るきっかけになりました。
2023年〜現在(2026年):「AIバブル」への警戒 2022年にFRB(米連邦準備制度理事会)が急激な利上げを行ったことで、一度は米国株も調整(下落)し、エミン氏は「バブル崩壊の初動が始まった」と分析しました。しかしその後、生成AIブームによってエヌビディアやビッグテック(GAFAM)が再び市場を牽引して株価が最高値を更新し続けたため、現在は「ITバブル(2000年)の末期と同じ構造の『AIバブル』に突入している」として、引き続き強い警告を発しています。
なぜ「長年ハズレ続けている」ように見えるのか?
エミン氏自身もYouTubeやインタビューで認めていますが、「バブルがどこまで膨らむか(いつ弾けるか)のタイミングを完全に当てるのは不可能」という性質があるからです。
実体経済(アメリカの商業不動産の悪化や先行指標の低下など)がどれだけ悪くても、市場の熱狂やマネーの勢いだけで株価が数年間上がり続けることは歴史上よくあります。そのため、彼が数年前から「危険だ」と言い続けているにもかかわらず米国株が上がり続けているため、「ずっとオオカミ少年状態だ」と言われる一因になっています。
ちなみに、彼は「米国株のバブルが一度崩壊してグローバルな資金がシフトしてこそ、本当の意味での日本株の超強気相場(日経平均が将来的に高い水準へ向かう流れ)がやってくる」という持論を一貫して持っています。
なるほど、今後米国株のバブルが崩壊すると、その資金が日本株に向かうので日本株の黄金期が始まると予想しているのですね。
その通りです!まさにそこがエミン・ユルマズさんの主張の最もユニークであり、一貫している核心部分です。
単に「世界的な大恐慌が来て終わり」という悲観論ではなく、「米国株のバブル崩壊は、日本株にとってはむしろ大チャンス(大逆転のトリガー)になる」というシナリオを描いています。
なぜそうなるのか、彼のロジックを整理すると主に3つの背景があります。
1. マネーの消去法(逃避先としての日本)
これまで世界の投資マネーは、GAFAMやエヌビディアといった米国の大手テック企業に一極集中していました。しかし、そのバブルが弾けた場合、世界中の巨大な機関投資家は次の資金の「置き去り先」を探さなければなりません。
中国: 地政学リスクや経済の構造変化により、以前ほど巨額の資金を安心して置けない。
欧州: エネルギー問題や経済の停滞感がある。
結果として、「政治的に安定しており、流動性(市場の大きさ)があり、企業改革が進んでいて、なおかつ割安な国」を消去法で探すと、消去法の筆頭として日本(東京市場)が浮上するというロジックです。
2. 「令和のインフレ(マイルドなインフレ)」への転換
日本は長年デフレに苦しんできましたが、現在はマイルドなインフレへと明確にシフトしています。 デフレ下では「お金をそのまま現金で持っていること(現預金)」が正解でしたが、インフレ下では「現金の価値が目減りする」ため、個人も企業も資金を「株」や「設備投資」といったリスク資産に動かさざるを得なくなります。この構造変化が日本株の底上げになると見ています。
3. 歴史的な循環周期(冷戦構造の再来)
エミン氏はマクロ経済だけでなく、地政学的な歴史サイクル(40年周期説など)を重視します。 現在、米中対立を中心とした「新・冷戦構造」が進む中で、地政学的にアメリカの最も重要な東アジアのパートナーである日本の価値が再び高まっています。これは、かつて1980年代に日本が経済的な黄金期を迎えた流れ(冷戦下の東アジアの防波堤としての繁栄)と重なると分析しています。
💡 エミン氏の予測のまとめ
短期的には: 米国株が崩壊する局面では、一時的に日本株も連れ安(巻き添え)になる可能性が高い。
中長期的には: そのショックが落ち着いた後、米国から抜けたグローバルマネーが日本に本格流入し、日経平均は過去最高値を大きく塗り替えるような「本当の黄金期(超強気相場)」を迎える。
「米国株に対して超弱気、日本株に対して超強気」という彼のスタンスは、こうしたグローバルな資金の「大移動(グレート・ローテーション)」を前提に組み立てられています。
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