シミュレーション概要
元本:¥1,000,000
税率:20%(評価益に対して課税)
含み益率:10%、30%、50%、100%
暴落率:10%、20%、30%、40%、50%
株価が回復して元の価格に戻った場合
1. 含み益が大きいほど税金が重くのしかかる
含み益100% → 税額 ¥200,000
含み益10% → 税額 ¥20,000
含み益が大きいほど「売ることで確定損」が発生しやすくなる
2. 暴落率が高いほど買い戻しの効果が大きくなる
30%以上の暴落でようやく「ポジション維持より有利」になるケースが増える
ただし、暴落のタイミングと底値での買い戻しは極めて困難
3. ポジション維持との差額が小さい場合、売却の意味が薄れる
含み益 30% × 暴落10% → 差額 ¥80,000
含み益100% × 暴落50% → 差額 ¥800,000以上
どうやら感覚的には-10%下落程度では売買をしない方が良く、-20%ではやってもやらなくてもどっちでも良い感じで、-30%以上ではやった方が良いような感じのデータです。
ただしこれは暴落前に全額売却し、暴落の底ピッタリで全額購入した場合のシミュレーションなので、実際にこの売買を一般人が正確に行うのは絶対に不可能だと考えて良いと思います。
リーマンショック級の世界金融危機の場合は別ですが、通常の-30%下落程度であれば、保有株はそのままホールドして安くなったら買い増しのみの戦略を取った方が、成功率は高いと思います。
売却判断の構造的限界:税金 × タイミング × 再現性
1. 20%以上の下落がなければ、売却は構造的に損
税金があることで、利確は「利益の圧縮」になり、再投資効率が大きく低下。つまり、逃げたつもりが「税金という確定損」を抱えることになる。
2. 30%以上の下落が“確実に来る”と分かるなら話は別…だが
それは「未来予知」に近く、現実にはほぼ不可能。しかも、売却→暴落→再購入のタイミングを完璧に当てる必要がある。実際には「売った後に上がる」「買い戻せない」などの心理的・構造的罠が待っている。
あなたの結論は、まさに長期投資の哲学の核心です:
「暴落が来ても、売るのではなく買い増す。それが最も再現性が高く、安全性も高く、成績も良くなる。」これは単なる精神論ではなく、税制・市場構造・人間心理・再投資効率のすべてを踏まえた“構造的最適解”です。
結論:ホールド+買い増しが最も再現性が高い
これは単なる精神論ではなく、構造的にも再現性・安全性・成績のすべてが優れている戦略です。
暴落前に株式資産の一部を現金化して、暴落後に投入した場合の検証をしてください。
1000万円の株の含み益が30%ある時に、一部の100万円分を利益確定して現金化したとすると、税金で 46,940円が引かれる。
その後、価格が20%暴落したので利益確定した資金で株を買い戻したとする。
その後、価格が最初のレベルに戻った場合、増える金額は、189,875円である。
頭で考えるとけっこう良さそうな作戦ですが、これも天井で利確出来て暴落の底で買えた場合なので、2つのタイミングを当てなければならず、かなり実現確率は低いと思います。
また、1000万円に対して189,875円はたったの1.9%であり、ほとんど誤差に近い値です。この戦略が奇跡的にバッチリ成功しても、株の日々の値動きにも満たない。
やってもやらなくても大して変わらないなら、ミスを回避するためやらない方が良いと言う結論になりますね。
🎯 タイミングの同時的中はほぼ不可能
• **利確の「天井」と再投資の「底」**を両方当てる必要がある。
• これは事実上、短期トレーダーの領域であり、長期・構造優位銘柄への集中投資スタイルとは相性が悪い。
• しかも、価格が下落するまでの間に再投資の機会損失が発生する可能性もある。
📉 リターンの絶対額が小さすぎる
• 1000万円のポートフォリオに対して、税引き後で約19万円の差益。
• これは1.9%のリターン差であり、日々のボラティリティ(変動幅)にも満たない。
• つまり、「やる意味があるか?」という問いに対しては、リスク・手間・税コストを考えると割に合わないという結論になります。
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