実は、私は2022年のインフレショックで大失敗をしています。
投資を始めてまだ1年半の初心者で、これほど大きな下落を経験したことがありませんでしたし、同時に隣国で核兵器保有国のロシアが戦争を始めたので核戦争の恐怖でいっぱいになり、この苦しさから抜け出したいと思って株式をすべて売却しました。
その後チャートを見ていなかったのですが、2022年7月に株価が回復しているのを見て買い戻し、更に回復したので安心して大きく買った時がなんとピッタリ天井で、また暴落が始まり、また恐怖の限界が来て再び全部売却し多額の損切りしましたが、その時がなんとピッタリ大底でした。
自分がこれほどピッタリ天井と大底を当てたということは、自分の感情の逆を行くべきではないかと気づいたのです。
なるほど…この体験はとても大きな学びですね。画像を見ると、本当に恐怖で手放した瞬間が底、安心して買い戻した瞬間が天井に重なっています。これは偶然ではなく、多くの投資家が同じ心理に支配されるために起きる典型的な現象です。
🔑 なぜ自分の感情が「逆シグナル」になるのか?
1. 群衆心理との同調
あなたが恐怖や安心を強く感じた時、それは世界中の投資家も同じように感じている時期です。
恐怖で「もう耐えられない!」と思ったとき → みんなが売り切った後なので 売り圧力が消える → 底
安心して「やっぱり大丈夫だ」と思ったとき → みんなが買い切った後なので 買い圧力が消える → 天井
2. 感情のピークと需給の転換点が一致する 相場は需給で動きます。
恐怖がピークのとき → 売りたい人が全員売ってしまい、そこからは買い手しか残らない。
安心がピークのとき → 買いたい人が全員買ってしまい、そこからは売り手が増える。
つまり「感情のピーク = 相場の転換点」になりやすいのです。
3. 行動経済学的バイアス
損失回避:損を避けたい気持ちが強すぎて、底で投げ売りする。
後知恵バイアス:反発してから「やっぱり上がるんだ」と安心して天井で買ってしまう。
自分の感情が限界に達した時が大底の可能性が高いのは、今までの経験上かなり確率が高いようです。この失敗のあと、私は持ち株が下がり続けて感情が限界に達してどうしても売りたくなった時に、実際に売ることはしないで、TradingViewのチャートに「懐疑心がピークになった」と書き入れていますが、これは見事に底を当てています。
1. 投資家心理のピーク=売り圧力のピーク
株価下落が続くと、多くの投資家が「もうダメだ、損切りしよう」と考えます。
特にあなたのように長期投資家でも恐怖がピークになる頃には、短期投資家はすでに大量に投げ売りしていることが多いです。
売りたい人が出尽くすと、それ以上は売りが続かず需給が反転しやすくなります。
つまり「恐怖のピーク = 売り圧力のピーク」であり、その後は自然と買いが優勢に転じるのです。
2. 逆張り投資家や機関投資家の行動
相場が極端に悲観的になると、「安く仕込めるチャンスだ」と考える投資家(逆張り派や長期の機関投資家)が買い始めます。
特に優良企業(今回のサーモフィッシャーのように長期成長を続けてきた会社)は、業績が悪化しても中長期では回復期待があるため、押し目買いが入りやすいです。
3. ニュースと感情のタイムラグ
マーケットは「悪材料を先に織り込む」傾向があります。
つまり決算やガイダンスが悪いと分かった時点で既に売られているので、「控えめな業績予想」の時点で株価は下げてしまう。
あなたが「もう駄目かもしれない」と感じた時は、実は市場はすでに悪材料を十分に消化し始めていた可能性が高いです。
4. 行動経済学的な理由(損失回避バイアス)
人は利益よりも損失の方を強く感じる「損失回避バイアス」があります。
下げ相場では含み損に耐えられず、恐怖心が一気に高まる。
その心理のピークが「もう耐えられないから売ろう」という行動につながり、そこで投げ売りが出尽くすと反転しやすくなるのです。
まとめると:
あなたが感じた「もう駄目だ」という強烈な恐怖心は、多くの投資家が同時に感じているものです。その瞬間こそ売り圧力が限界に達し、逆に株価は反発しやすくなります。いわゆる 「大衆心理の逆を行け」 という投資の鉄則が、実体験として現れているわけです。
この出来事から私は変わりました。2024年8月5日に日経平均は過去最大価格の暴落をしましたが、私はこのチャートを見た瞬間に大笑いしました。普通の投資家なら恐怖で真っ青になるような出来事ですが、見たことの無いヘンテコなチャートを見て本当に心から可笑しくなって声を出して笑ったのです。
この日はこの後にどうなるか様子見したので買ってなかったですが、今だったら間違いなく大きく買っていました。アルゴリズムの暴走による垂直の暴落をしたら、次の日に大きく反発する確率が非常に高いのはトレードの練習で分かっていますから。すでに私は暴落で買うことの恐怖は無くなり、暴落で売ることに対する最大の恐怖を感じるようになりました。
2024年8月5日当時はまだトレードの練習を本格的に行っていませんでしたので、1日で大暴落が起こった場合、次の日に大きく反発する確率が高いことを知りませんでした。
ですからこの時はこの後どうなるか、数日間は様子見しようと判断したのです。
結果的には様子見も悪くない判断だと思いますが、伝説の投資家である清原達郎さんはあわてて全財産をかき集めて、この時に株を大量購入したと言う記事を見ました。やはり相場の荒波を乗り越えて巨大な実績を作った投資家は凄いです。
2024年8月5日と同じ規模の暴落 を目の前にしたら、おそらく、トレード用としてすぐにある程度の金額を投入するはずです。 その暴落が大きな情勢変化が原因であるならば、反発後にまたしばらく暴落する可能性もあります。 次の日の反発後に、逆指値のストッパーを入れるかもしれません。
参考までに、清原達郎さんの2024年8月当時のbloombergによるインタビュー記事の抜粋を読んでみてください。
ー東京株式市場が5日に大暴落しました。どう見ていたのでしょうか。
「私が当日何をしたのかお話ししましょう。私は昨年引退してからは新規の投資はしていませんでした。もちろん相場が暴落すればまた買うつもりでしたが、その機会が5日に訪れました。夕方になって東京市場の暴落を知ったのです。何でこんなに下がるのか、買わなきゃと思いました。証券会社にある現金230億円を全部使おうと」
「翌日の日本株の寄り付きで買えるかもしれない機会を狙って、夜の10時まで細切れの注文を入れました。200億円以上の買い注文を入れて、全部空振りかと思っていたのですが、メガバンク1銘柄を105億円分買えていました。とても幸運でした」
清原達郎さんの凄み 「暴落したから理由は後回し、とにかく買う」
→ 多くの投資家は「なぜ下がったのか?」を気にして動けなくなりますが、清原さんは「理由よりも価格が下がった事実」を優先して即決しています。
全額投入できる胆力と経験
→ 現金230億円を「全部使おう」と即断。
→ 普通の投資家が恐怖で凍りつく場面で、逆に最大リスクを取れる。
長期視点の確信
→ 翌日さらに下がる可能性もあるが、数年後を見れば「この水準で買えた」ことの価値が大きい。
たしかに私は長期投資を行おうと思っているので、1日の暴落で大きく買うより、ある程度抑えた金額で安定した銘柄の株を買って長年ホールド方が合っているかもしれませんね。
全財産で全力で買うと決めているのは指数が-50%(付近)になった時です。暴落理由は何でも構いません。機械的に買って何年でもずっとホールドするだけです。
現在5年で投資資産は+40%になっていますが、実はこれはかなりひどい成績です。もし同じ期間を円建てS&P500に全額投入し、何もしないでほったらかしていたら今頃+150%のリターンがあったはずです。
上手くやろうとトレードしたり暴落で売ったり、あれこれ引っ掻き回したせいです。今では大反省しています。これからはもっと上手くやろうと思います。
もし資産が5年で2倍以上になっていたとすると、リーマンショック級の歴史に残る大暴落でも、びくともしないポートフォリオが完成していましたから、全く惜しいことをしました。
まあ実体験として大変大きな勉強になりましたし、今のところトータルで損はしていないので、この反省を次に活かすのが大事ですね。
インデックスの放ったらかし投資がやはり最強であり、これを超えるのは至難の業であるという証明が得られました。
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