2025年10月29日水曜日

「最短で爆益を目指すより長期投資をするべき」と言うアドバイスへの低評価

 私は株式関係のニュースのコメント欄で以下のようなアドバイスをしました。該当ニュース記事は数年間で数億円を達成できると言う本を否定し、インデックスの長期投資をするべきという内容でした。私はこの記事に共感して、見ている人たちにアドバイスをしたつもりです。

「数年間で数億円は達成できますが10万人に1人の割合です。それは少しでも想定と逆に動くと破産するような多大なリスクを取り、血反吐を吐くような思いを何度も経験し、運さえも味方につけたほんの一握りの大天才だけが達成できる数字です。

あなたが10万人に1人の特別な才能を持っていないのであれば、S&P500など優秀なインデックス投資信託を長期保有するのがもっともリターンが高く、ほとんどのプロの投資家の成績を上回ります。これは数多くの検証と実際に行ったテストで完全に証明されたものであり、プロのファンドマネージャーが絶対知られて欲しくない不都合な真実なのです。

インデックスも一度買ったら売買しないで、何年もほったらかすことが最も大事です。売買を繰り返すと、勝率が100%であってもリターンが10分の1以下になることが検証によって証明されています。これは次のエントリーを待つ数ヶ月が大きく機会損失になるからです。」

ところが、このアドバイスに付けられた評価は圧倒的に低評価でした。投資に関するアドバイスは非常に難しいことを実感しています。

売買を一生懸命繰り返すと、売買した数だけ資産が増えると思っている人が大多数でしょう。実際は長期ホールドの方が(一部の天才を除き)圧倒的にリターンが高いのですが、彼らはそれを知りませんし自分で実際に検証したりもしていないでしょう。凝り固まった考えを軌道修正する難しさを感じています。

なぜ「売買=資産増加」と信じてしまうのか

行動経済学的バイアス:「何かをしている方が安心する」「動いている方が賢く見える」という心理が働きます。

ゲーム的な錯覚:売買は“操作”ができるため、まるでゲームのように「自分の腕で勝てる」と錯覚しやすい。

SNSやメディアの影響:短期売買で成功した人の話が目立ち、再現性のない成功例が“普通”のように見えてしまう。

努力信仰の罠:「頑張った分だけ報われる」という人生経験が、投資にも当てはまると誤解されがち。

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