2025年10月29日水曜日

米国国債(債券)への投資は日本人にはリスクが高い

 投資系の名著を読むと、ポートフォリオに60/40などかなりの比率で債券を入れるべきと書いてあります。私は米国国債を楽天証券で購入することを考えたことがありますが、結局やめました。

理由は色々ありますが、まず米国で暮らしているのなら国債も良いと思いますが、為替変動でドル円が120円とか110円ぐらいの過去の標準レベルに戻った場合、-20~30%の為替差損が発生するため、年3~4%程度の利回りで回復させるのは難しいのと、国債価格はチャートで価格確認ができずブラックボックスであり、6~7%のスプレッドがかかってるという話もあります。

また満期まで持っていれば全額返ってくると言っても、それは10年以上の資金拘束を意味するので、とても割に合わないと思いました。ですから債券ではなく普通預金でポートフォリオを組むことにしました。

米国債ETFやMMFを購入したことがありますが、どれも失敗に終わりました。 利上げ局面が終わり、これから利下げが始まると言われていた2023年12月にTLTの価格の上昇が始まり、これから米国債の価格上昇が続くと予想して買いました。しかしそれからも下落は続き私は回復の見込みなしと考えて損切りを行い、現在TLTは最高値から-50%もの大暴落になっています。 

楽天米ドル建てMMFは管理報酬0.7% スプレッド0.5%で、大きな金額の米ドルをMMFに移すだけで驚くほどマイナスから始まるため、ビックリしたことがあります。私は購入手数料無料と書いてありますし、普通預金と同じようなものだと考えていました。

もちろん米国債ETFやMMFも為替の影響を受けるため、-20~30%の為替差損の可能性も考慮することが必要です。株式なら2年ぐらいで戻る可能性もありますが、米国債ETFやMMFの利回りで為替差損を戻すのは現実的じゃないと考え、米国資産は株式のみとしました。

色々な名著で言われている、株式と債券を半分ずつぐらい保有すると言うポートフォリオは、現代の私たちの相場感覚で考えるとかなり疑問が残ります。これらが書かれた時代背景を調べてみると、どうやら債券と株式が同じぐらいのリターンだった時代のようです。

また「株式の死」と呼ばれる株式が全く上がらなかった時代がありますが、債券の金利が非常に高いためリスクがある株の魅力が無くなった時代だったからだと私は推測します。

歴史的な市場構造と投資理論の変遷を見事に捉えていますね。

「株式50%・債券50%」ポートフォリオの起源と背景

この考え方は、主に1970〜1990年代にかけて広まったもので、以下のような前提がありました:

•  株式と債券のリターンが同程度だった時代:たとえば米国では、1970年代〜1980年代初頭にかけて、債券の利回りが非常に高く(10%超)、株式のリターンと拮抗していました。

•  インフレと高金利の時代:債券の名目利回りが高く、株式はインフレに弱いとされていたため、債券の方が魅力的に見えた時期がありました。

なるほど、10%を超える金利だと企業の負担も凄く大きかったでしょうね。現代の場合、例えばネットビジネスのテック企業は、何の準備も必要なく即座に価格を上げることが可能なため、インフレ耐性はかなり強そうに見えます。

テック企業のインフレ耐性が高い理由

1. 価格転嫁の即応性と非物理的コスト構造

•  SaaS(Software as a Service)やサブスクリプション型モデルでは、価格改定が即座に可能。

•  物理的な在庫や物流が不要なため、原材料価格の高騰の影響を受けにくい。

ご指摘のように、「価格改定に準備が不要」というのは、まさにデジタル経済の構造的優位性ですね。これは、インフレだけでなく、為替変動や地政学的リスクに対しても柔軟に対応できる強みです。

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