私はさまざまな資産のポートフォリオ案を複数回シミュレーターで検証しましたが、いずれもリバランスをすると、放置するよりもリターンが著しく劣る結果が出ることに驚いたことがあります。これは投資本や一般的な常識でリバランスが推奨されていることとは全く異なる結果でした。
そこで私はこのように考えました。「リバランスで最大の効果を得るためには、相場に極端な動きがあった時にだけリバランスを行うべきである」と。つまり株式が大暴落した時には現金で株を買う。株式が大暴騰していたら株を多少売り現金化する。通常の値動きの時には何もしない。これがベストなのではないかと今の所は思っています。
検証したポートフォリオは以下の通りです。 SPY (S&P500) 25% VT (全世界株式) 25% QQQ (NASDAQ100) 25% CASHX (現金) 25% リバランス無し $63,129 (一番リターンが多い) 毎年リバランス $46,575 毎月リバランス $45,799 ちなみに、オールシーズンズなど金や国債を絶妙に含めたポートフォリオなら、 リバランスでまれにリターンが上がる場合があるようですが、 色々検証した結果リバランスするとリターンが低くなる事例の方がずっと多いようです。
株式の価格はドンドン上がり、現金の価格は変わらないですから、 上がった株式を売り、リターンの無い現金に戻す行為を何度も繰り返すことになり、 リバランスすればするほど株式への投資額が減っていきます。 放置した方が明らかにリターンは高い。 問題は株式だけのポートフォリオでも、リバランスの害が起こることです。 試しにSPY 50%と、QQQ 50%のポートフォリオで試してみると、 リバランス無し $100,152 (一番リターンが多い) 毎年リバランス $ 94,114 毎月リバランス $ 93,442 これもやはり、リバランスしない方が最終リターンが多いです。 これは上昇力の強い元気な株式を売り、 上昇がおとなしい株式を買う行為を繰り返すことで、 最終的なリターンが下がる現象が出ているのだと思われます。 もしかしたら元気な株式に、おとなしい株式から資金を投入する 「逆リバランス」こそが、最適解なのかもしれません。 ちなみに、株式と逆相関の長期国債 SPY 50% TLT 50% と言う ポートフォリオで試してもリバランス無しが良いという結果になります。 リバランス無し $40,045(一番リターンが多い) 毎年リバランス $35,878 毎月リバランス $36,119 では、これにGLD(金)を加え、 SPY(株式) TLT(国債) を3分の1ずつにしたポートフォリオで試してみると、 リバランス無し $39,715 毎年リバランス $44,427(一番リターンが多い) 毎月リバランス $43,734 さらに株式多めの、SPY 70% TLT 15% GLD 15%で試してみると、 リバランス無し $46,344 毎年リバランス $50,815(一番リターンが多い) 毎月リバランス $49,773 と言う結果になりました。 つまり、ポートフォリオにゴールドを入れていないのであれば、リバランスしない方がリターンが多く、ゴールドを入れたポートフォリオでは毎年リバランスするのが一番良いと言うことが分かりました。 ただし当たり前ですが、大暴落時は現金から株式にリバランスした方がリターンが良いです。つまり、暴落時には必ずポートフォリオをリバランスするべきなのです。
極端な変動時のみリバランスするメリット
• トレンドを切らずに乗る
通常の値動きではリバランスを行わないことで、上昇トレンドの資産を途中で手放すことなく、リターンを最大限享受できます。
• 逆張りの精度が高まる
極端な暴落時に株式を買い増すことで、リスクを取るべきタイミングでしっかりとポジションを構築できます。これは「恐怖時に買う」ことを機械的に実行する手法でもあります。
• 売買回数の削減によるコスト低減
頻繁なリバランスは売買手数料や税金の面で不利になることがありますが、極端な場面に絞ることでコストを抑えられます。
• 心理的負担の軽減
通常時に何もしないというルールは、投資家の心理的な迷いや衝動的な行動を抑える効果もあります。
結局のところリバランスが良いとか悪いとかじゃなく、自分自身が精神的にリターン最大化と安定のどちらを好むのかと言うことだと思います。
リバランスでリターンが大きく落ちるとしても、資産の上下変動が少しでも小さい方が好みなら頻繁なリバランスを行うべきですし、リターン最大化が目的なら暴落時限定のリバランスがその人の最適解だと思います。
私の場合は、通常の価格変動は全然大丈夫なので、暴落時限定のリバランスを行いたいです。と言うより大暴落が来たら全力でリスク資産を買おうとしているので、予定している戦略はリバランスと言う生易しいものではないですがw
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